作業指示書の書き方は?作成時のポイントとあわせて解説

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目次

建設業において、効率的かつ安全な作業を行うためには、正確な作業指示書が欠かせません。作業指示書は、作業者に対して具体的な指示や情報を提供するものであり、これが適切に作成されているかどうかが、プロジェクトの成功に直結します。

本記事では、作業指示書について、以下の視点から解説します。

  • 建設業における作業指示書の概要
  • 作業指示書の書き方・項目
  • 作業指示書を書く際に意識すること

また、作業指示書の作成に関するチェックポイントも紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

建設業における作業指示書とは?

作業指示書とは、現場作業を行う際に必要な指示や情報を記載した文書です。具体的には、作業内容、使用する資材、作業手順、注意点などが含まれます。

作業指示書により、作業者は正確な情報をもとに作業を進めることができ、作業の効率性と安全性を向上させることができます。

なお作業指示書は、作業の質を高めるための重要なツールであり、プロジェクト全体の成功を支える基盤ともなるでしょう。

作業指示書が適切に作成されていることで、作業者は明確な指示を受け取り、作業の進行をスムーズに行うことができます。

作業手順書・マニュアルとの違い

作業手順書やマニュアルは、一般的に標準的な作業手順や方法を示したものであり、特定の現場や状況に応じた具体的な指示を含む作業指示書とは異なります。

作業手順書やマニュアルは、一般的な作業方法や標準的な手順を示すものであり、日常的な作業において参照されることが多いでしょう。一方で作業指示書は、個別のプロジェクトや特定の作業に対してカスタマイズされた指示を提供する点で異なります。

例えば、作業手順書やマニュアルは、全体的な作業の進行方法や標準的な手順を示すものであり、特定のプロジェクトや現場に適用される具体的な指示は含まれません。

一方で、作業指示書は、個別のプロジェクトや特定の作業に対して、具体的な指示や情報を提供するものであり、現場の状況に応じたカスタマイズが施されています。

作業指示書の必要性

作業指示書は、以下の理由から必要とされます。

  • 作業の一貫性を保つため:統一された基準に基づいて作業を行うことで、品質の維持が図れます。
  • 作業の安全性を確保するため:必要な安全対策や注意事項を明確に記載することで、事故や怪我を防止します。
  • 作業の効率を向上させるため:詳細な作業手順やスケジュールを提供することで、作業の無駄を減らし、効率的な進行をサポートします。
  • コミュニケーションを円滑にするため:関係者全員が同じ情報を共有することで、誤解や情報不足による問題を防ぎます。

作業指示書は、作業の無駄を減らし、効率的にプロジェクトを進めるために必要なツールです。また作業指示書は、安全性を確保するための役割もあり、必要な安全対策や注意事項を明確に記載することで、事故や怪我を防止できます。

作業指示書が活用される場面

作業指示書は、初めての作業や新しい現場での作業において、詳細な指示書が必要になる、新規プロジェクトの開始時に活用されます。既存プロジェクトにおける計画の変更や追加作業が発生した際や、複雑な作業や特定の工程を行う際にも、作業指示書が活用されるでしょう。

また、突発的な問題が発生した際の対応策の指示に、作業指示書が必要になることもあります。

作業指示書を含めた「指示書」の種類

作業指示書の他にも、建設業では様々な指示書が使用されます。例としては、施工計画書、安全指示書、品質管理指示書などがあります。これらはそれぞれ特定の目的に応じた指示や情報を提供できるのが特徴です。

<施工計画書>
プロジェクト全体の進行を管理するための指示書であり、具体的な作業手順やスケジュール、使用する資材や機器、作業の順序などが記載されます。施工計画書は、プロジェクト全体の進行をスムーズに進めるための重要なツールです。

<安全指示書>
作業者の安全を確保するための注意事項や手順を記載した指示書であり、安全対策や緊急時の対応方法、使用する保護具などが含まれます。安全指示書は、作業者の安全を確保し、事故や怪我を防ぐための重要なツールです。

<品質管理指示書>
施工の品質を維持するための基準や検査項目を示した指示書であり、作業の品質を確保するための具体的な手順や基準、検査方法などが記載されます。品質管理指示書は、施工の品質を高めるための重要なツールです。

これらの指示書は、それぞれ特定の目的に応じた指示や情報を提供するものであり、プロジェクト全体の進行をスムーズに進めるための重要なツールです。作業指示書と併せて使用することで、プロジェクトの成功を支える基盤となります。

作業指示書の書き方

ここでは、作業指示書の書き方について、基本的な項目や実績、作業の内容・予定の視点から解説します。

基本的な項目

作業指示書には、以下の基本的な項目が含まれます。

<作業タイトル>
作業タイトルは、簡潔かつ明確に記載することで、作業者がすぐに理解できるようにします。

<作業日時>
作業日時は、具体的な日付や時間を記載することで、作業のスケジュールを明確にできます。

<作業場所>
作業場所は、詳細な住所や現場の位置を記載することで、作業者が正確に現場を把握できるようにします。

<作業内容の詳細>
作業内容の詳細は、ステップバイステップで記載することで、作業者が正確に作業を進めることができます。

<使用する資材・機器>
使用する資材や機器は、具体的な品名や数量、使用方法などを記載することで、作業者が正確に準備できるようになります。

<作業手順>
作業手順は、具体的な手順を詳細に記載することで、作業者が正確に作業を進めることができます。

<安全上の注意点>
安全上の注意点は、具体的な注意事項や対策を記載することで、作業者が安全に作業を進めることができます。

<連絡先情報>
連絡先情報は、具体的な担当者の名前や電話番号、メールアドレスなどを記載することで、作業者が迅速に連絡を取れるようにします。

実績

作業指示書には、過去の作業実績や成功事例を記載することも重要です。これにより、作業者は過去の経験を参考にして効率的に作業を進めることができます

特に、同様の作業を繰り返し行う場合、過去の実績を参照することで作業の改善点や注意点を把握しやすくなります。

過去の実績を記載することで、作業者は過去の経験を活かし、効率的に作業を進めることが可能です。

例えば、過去に同様の作業を行った際に発生した問題やトラブルを記載することで、同じ問題が再発することを防止できます。また、過去の成功事例を記載することで、作業者は成功のポイントを把握し、作業の質を高めることも可能です。

作業の内容・予定

作業指示書に記載する作業内容や予定には、作業の開始時間、終了時間、各作業のステップなどが含まれます。これらを記載することで、作業者はスケジュールを守りながら効率的に作業を行うことができます。

特に、大規模なプロジェクトや複数のチームが関与する場合、詳細なスケジュールを記載することで作業の連携をスムーズにできるでしょう。

作業の内容や予定を詳細に記載することで、作業者はスケジュールを守りながら効率的に作業を進めることができます。具体的には、作業の開始時間や終了時間を明確に記載することで、作業者は作業をスムーズに進行できるでしょう。

また、各作業のステップを詳細に記載することで、作業者は正確な手順を把握できます。

作業指示書を書く際に意識すること

ここでは、作業指示書を書く際に意識すべき以下の視点について解説します。

  • 明確かつ簡潔に指示内容を記載する
  • 作業する順番に誤りがないようにする
  • 指示の抜け漏れがないようにする
  • 迅速かつ確実に共有する
  • 変更時のフローを決めておく

ここで紹介する内容を、実際に作業指示書を書く際の参考にしてください。

明確かつ簡潔に指示内容を記載する

作業指示書は、誰にでも分かりやすいように明確かつ簡潔に記載することが重要です。専門用語や略語は避け、必要に応じて説明を加えると良いでしょう。特に、新しい作業員や経験の少ない作業員が関与する場合、分かりやすい指示が必要です。

明確かつ簡潔な指示内容を記載することで、作業者は指示を正確に理解し、作業をスムーズに進めることができます。例えば、専門用語や略語を避け、平易な言葉で説明することで、作業者が指示を正確に理解できるようにします。

また、必要に応じて図やイラストを使用することで、視覚的に指示内容を理解しやすくすることも有効です。

作業する順番に誤りがないようにする

作業手順を正確に記載し、順番に誤りがないように注意しましょう。誤った順番で作業を行うと、効率が下がるだけでなく、安全性にも影響を及ぼす可能性があります。作業手順を視覚的に示すために、フローチャートや図を使用することも有効です。

作業手順を正確に記載することで、作業者は手順に従って効率的に作業を進めることができます。例えば、フローチャートや図を使用して作業手順を視覚的に示すことで、作業者が手順を正確に把握できるようにします。

また、作業手順を詳細に記載することで、作業者が手順を誤ることなく作業を進められるでしょう。

指示の抜け漏れがないようにする

作業指示書には、すべての必要な情報を漏れなく記載することが重要です。抜け漏れがあると、作業の進行に支障をきたす可能性があります。

特に、重要な注意事項や安全対策が漏れていると、重大な事故やトラブルの原因となります。

指示の抜け漏れを防ぐためには、チェックリストを使用することが有効です。チェックリストを使用して、必要な項目がすべて記載されているか確認することで、抜け漏れを防ぐことができます。

また、複数の担当者が指示書を確認することで、指示の抜け漏れを防ぎやすくなるでしょう。

迅速かつ確実に共有する

作業指示書は、関係者全員に迅速かつ確実に共有することが求められます。これにより、全員が同じ情報を持ち、作業を円滑に進めることができます。

メールやプロジェクト管理ツールを活用することで、効率的に共有できるでしょう。

作業指示書を迅速かつ確実に共有することで、作業者が同じ情報を共有し、作業をスムーズに進めることができます。例えば、電子メールやプロジェクト管理ツールを使用して指示書を共有することで、関係者全員が迅速に指示を受け取り、作業を進められるでしょう。

なお、指示書を共有する際は、確認のための返信や承認を求めることで、情報の共有が確実に行われるようにすべきです。

変更時のフローを決めておく

作業指示書に変更が生じた場合のフローを事前に決めておくことも重要です。これにより、変更があった際にもスムーズに対応することができます。

変更の際には、関係者全員に迅速に通知し、新しい指示書を共有することが必要です。

変更時のフローを事前に決めておくことで、変更があった際にも迅速かつスムーズに対応することができます。

例えば、変更があった場合の連絡方法や承認手順、変更後の指示書の共有方法などを事前に決めておくことで、変更があった際にも関係者全員が迅速に対応できるようにします。

作業指示書の作成に関するチェックポイント

作業指示書を作成する際は、以下のチェックポイントを意識しておくことも大切です。

  • 項目が網羅されているか
  • 依頼者・担当者が明確になっているか
  • 5W2Hを意識できているか

実際に作成した作業指示書に不備がないかチェックする際は、ここで紹介するポイントを参考にしてください。

項目が網羅されているか

作業指示書が必要な項目をすべて網羅しているかを確認しましょう。漏れがあると、作業の進行に支障をきたす可能性があります。

チェックリストを使用して、必要な項目がすべて記載されているか確認することが有効です。

項目が網羅されているかを確認することで、作業指示書が完全かつ正確であることを確認できます。チェックリストを使用して、必要な項目がすべて記載されているか確認することで、漏れを防げるでしょう。

また、複数の担当者が指示書を確認することで、項目が網羅されているか確認することができます。

依頼者・担当者が明確になっているか

作業指示書には、依頼者および担当者の情報を明確に記載します。これにより、責任の所在が明確になり、問題が発生した際にも迅速に対応できます。

担当者の連絡先情報もあわせて記載することで、疑問点や緊急事態に対応しやすくなるでしょう。

依頼者や担当者の情報を明確に記載することで、責任の所在が明確になり、問題が発生した際にも迅速に対応することができます。具体的には、依頼者や担当者の名前、役職、連絡先情報などを記載することで、作業者が迅速に連絡を取れるようにします。

また、依頼者や担当者が明確になっていることで、責任の所在が明確になり、問題が発生した際にも迅速に対応できるでしょう。

5W2Hを意識できているか

作業指示書を作成する際には、5W2H(Who・ What・ When・ Where・ Why・ How・ How much)を意識することが重要です。

  • Who:誰が作業を行うか(作業者の名前や担当者の情報)
  • What:何を行うか(作業内容や手順)
  • When:いつ行うか(作業の日時やスケジュール)
  • Where:どこで行うか(作業場所や現場の位置)
  • Why:なぜ行うか(作業の目的や背景)
  • How:どのように行うか(作業手順や方法)
  • How much:どれくらいの量を行うか(作業の規模や数量)

5W2Hを意識するこれにより、情報の抜け漏れを防ぎ、詳細な指示ができます。特に、複雑な作業や複数のステップがある場合、5W2Hを活用することで明確かつ包括的な指示書を作成できるでしょう。

また、5W2Hを意識することで、作業指示書が詳細かつ包括的なものになります。かつ、情報の抜け漏れを防ぐことも可能です。

まとめ

作業指示書は、建設業において作業の効率化、安全性の確保、円滑なコミュニケーションのために欠かせないツールです。正確かつ詳細な作業指示書を作成することで、現場の作業をスムーズに進めることができます。

この記事で紹介したポイントを参考に、効果的な作業指示書を作成してみてください。精度の高い作業指示書は、プロジェクトの成功と作業者の安全を確保できるツールになるでしょう。