下請負業者編成表とは?正しい書き方と作成時の注意点も解説

目次
下請負業者編成表は、一つの工事において、一次請負業者とそれ以降の下請業者がどのように関わるのかといった、業者間の相関関係を表すのに使われる書類です。
下請負業者編成表の作成義務があるのは、一次下請業者です。
スムーズに作成できるように事前に記入項目を確認しておきましょう。
本記事では、
- 下請負業者編成表の概要
- 下請負業者編成表の正しい書き方
- 下請負業者編成表の作成においてよくある質問
などを詳しく解説します。
下請負業者編成表とは?

下請負業者編成表は、建設作業において作成・提出義務のある書類の一つです。
本章では、下請負業者編成表の概要を解説します。
テンプレートも用意しているので、まだ所有していない方は、ダウンロードして活用してみてください。
下請負業者編成表の概要
下請負業者編成表とは、建設業法により定められた約20種類のグリーンファイルの一つで、工事に関わる会社の名前や工事内容、各現場の責任者などを記載する書類のことです。
下請負業者編成表は、一つの工事において、一次下請負業者とそれ以降の下請業者がどのように関わるのかといった、業者間の相関関係を表すのにも役立ちます。
具体的には、元請業者から一次請負している場合に書類作成の義務が発生します。
たとえ元請業者から請け負ったのが業務の一部であっても、二次下請業者に依頼している場合は、書類の作成義務があるのです。
基本的には一次請負業者が作成するので、二次下請業者以下の業者はとくに作成の義務がありません。
グリーンファイルについては、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
下請負業者編成表のテンプレート
国土交通省が、以下の下請負業者編成表のテンプレートを公開しています。

まだ書類を作成していない人は、国土交通省のサイトから書類をダウンロードしてみてください。
ダウンロードした上で、次章に進んでもらえると、一つひとつ理解しながら先に進めます。
下請負業者編成表の正しい書き方

下請負業者編成表の正しい書き方を解説します。
基本的には、以下の6項目を記載・理解しておけば問題ありません。
- 工事名
- 会社名
- 安全衛生責任者
- 主任技術者
- 専門技術者
- 工期
書類の仕様によっては、「建設業許可番号」や「代表者名」「特定専門工事該当の有無」などを記載するケースもあります。
それぞれ詳しく解説するので、参考にしてみてください。
工事名

工事名では、担当する工事内容を、下請負業者編成表の最上部の①に記載します。
「鉄筋」や「塗装」「足場」などの請け負った工事内容をそのまま記載します。
会社名

②の会社名には自社の名前を記入しますが、略称ではなく、会社登記した際の正式名称を記載してください。
個人事業主や一人親方の場合は、個人名で問題ありません。
二次請負業者・三次請負業者も同じように、会社の正式名称または個人名で記載します。
安全衛生責任者

③の安全衛生責任者名は、現場の安全衛生の確認と指導する者の指名を記入します。
安全衛生責任者になるための資格はとくに必要ありません。
現場代理人や主任技士などの現場に常駐する管理職のなかから選任するのが一般的で、かつ安全衛生責任者教育の講習を受講していることが必須です。
主任技術者

④の主任技術者の欄には、施工状況の管理・監督をおこなえる主任技術者の名前を記載します。
主任技術者は、指定国家資格の1・2級を保有しているか、一定期間以上の実務経験を有している人のなかから選任されます。
基本的に、工事1件あたりの請負金額が4,000万円(建築一式工事の場合は8,000万円)以上の工事で、公共性があったり多くの人が利用したりする施設や工作物の建築工事現場では、主任技術者の設置義務があるのです。
しかし例外として、500万円以下の請負金額で建設業の許可を取得していない場合や、1,500万円または延面積150平方メートル未満の木造住宅工事の場合には、主任技術者の設置義務はありません。
専門技術者

⑤の専門技術者の欄には、土木・建築一式工事で専門工事が含まれるケースにおいて、主任技術者の資格を持つ専門技術者の名前を記入する必要があります。
また、建設業法によると、下請負業者が請負った専門工事に含まれる「附帯工事」にも、専門技術者の配置が義務付けられています。
専門技術者の氏名と合わせて、担当する工事内容も同じ枠内に記載する必要があるので、注意しましょう。
工期

⑥の工期の欄には、各下請負業者が担当する工事における工期を記載しましょう。
工事全体の期間ではなく、各請負業者がそれぞれ担当する工事期間ですので注意してください。
工期が定まっていない場合は、空欄で提出して元請業者に指示を仰ぎ、指示通りに作成できるようにしましょう。
再下請負通知書や施工体系図との違い

下請負業者編成表と似たような書類として、再下請負通知書や施工体系図があります。
再下請負通知書とは、工事の発注者から工事を請け負った元請負業者がさらに下請業者に依頼した際に作成して元請業者に提出する必要のある書類です。
例えば、元請業者から三次請業者まで工事が依頼された場合には、一次請負業者・二次請負業者・三次請負業者のそれぞれが、再下請負通知書を元請業者に提出する必要があります。
下請負業者編成表は、一次請負業者のみ書類の提出義務がありますが、再下請負通知書の場合は、元請業者以下の全業者が提出する必要があります。
再下請負通知書を作成する目的は、元請業者がすべての工事業者を把握するためで、安全な工事を確認する上で欠かせない書類です。
施工体系図は、各下請負業者それぞれの施工分担関係を一目でわかるようにした図のことです。
施工体系図は、工事期間中の提出が義務付けられています。
また、工事の進行中に下請負業者に変更があった場合は、施工体系図の表記も変える必要があります。
下請負業者編成表の作成においてよくある質問

下請負業者編成表の作成において、よくある質問は以下の通りです。
- 下請負業者編成表の作成前に準備しておくものはあるのか?
- 押印は必要なのか?
- 記載内容に変更があった場合はどうするのか?
- 協力業者が多い場合はどうするのか?
- 一人親方はどのように作成するのか?
それぞれ詳しく解説するので、これから下請負業者編成表を作成する人は確認してみてください。
下請負業者編成表の作成前に準備しておくものはあるのか?
下請負業者編成表の作成前には、各下請業者から再下請通知書を提出してもらいましょう。
下請負業者編成表と再下請通知書では、記載内容がかぶっている部分も多いため、見比べながら同じ項目を埋めていけます。
押印は必要なのか?
下請負業者編成表に押印は不要です。
下請負業者編成表で用いられるテンプレートには、押印の欄が設けられていないことがほとんどです。
「提出義務のある重要書類ですので、押印が必要なのでは?」と考える人もいますが、あえて押印欄が設けられていないように、押印する必要はありません。
ただし、公共工事のように、役所へ提出する書類や別の様式を使用して作成する場合は必要なケースもあります。
押印の必要・不要は自治体によっても異なるので、事前に確認しておきましょう。
全国の自治体で、押印を見直す動きがあるため工事関係書類に関しても押印不要なケースが増えているなかで、まだまだ印鑑文化が残っているのが実情です。
記載内容に変更があった場合はどうするのか?
記載内容に変更があった場合は迅速に修正し、各提出先に提出する必要があります。
例えば、二次請負業者の内容に変更があった場合は、まず再下請負通知書を再度作成して一次請負業者へと提出します。
その後、一次請負業者が再下請負通知書の内容をもとに下請負業者編成表を修正し、元請業者へ再提出するのです。
協力業者が多い場合はどうするのか?
協力業者が多い場合には、書類を複数枚作成するケースもあります。
本記事で紹介した国土交通省の下請負業者編成を確認してもらうとわかるように、最上部に一次請負業者があり、その下に二次請負業者・三次請負業者・四次請負業者といったように階層形式で記載されています。
二次下請業者の数が4社以上になる場合や、五次請負業者まで工事に参加する場合は、複数枚の書類提出が必要になるのです。
一人親方はどのように作成するのか?
一人親方の場合は、下請負業者編成表の作成ではなく、再下請負通知書の作成が発生する可能性があります。
大規模工事において、一人親方が発注者から依頼を受ける可能性は低く、一次請負業者から工事を請け負うことが多いと想定されます。
そのため、下請負業者編成表の作成ではなく、再下請負通知書の作成が必要になると考えられるのです。
一人親方におすすめな建設業のグリーンサイトについて、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
>>>建設業におけるグリーンサイトとは?一人親方におすすめな理由を解説
まとめ
下請負業者編成表は、工事に関わる会社の名前や工事内容、各現場の責任者などを記載する書類です。
一次下請業者とそれ以降の下請業者がどのように関わるのかを表しており、工事をスムーズに進めるためにも欠かせません。
下請負業者編成表をまだ作成したことがない人でも、本記事を参考にしながら、モレなく作成が可能です。
また、弊社クラフトバンクでは、再下請負通知書やそのほかの建設業で使用できる書類をなど、すぐに活用できる無料エクセルテンプレートを用意しております。
気になる方はぜひ、以下のリンクからダウンロードへと進んでみてください。