作業員名簿の書き方を無料のエクセルテンプレートをもとに解説!

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目次

建設業で作業員を雇用する際に作成が義務付けられている作業員名簿。

「作業員名簿はただの出欠表なのでは?」と、イメージする方も少なくありませんが、実際は作業員が働く上で非常に重要な書類の1つです。

今回は、建設現場で必要不可欠な作業員名簿の書き方について解説します。

合わせて作業員名簿の保存期間や作成する際の注意点なども紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

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作業員名簿の書き方

作業員名簿をこれから作成する場合には、これから解説するポイントを押さえて作成しましょう。

すでに作成した作業員名簿がある場合には、それぞれのポイントが確実に押さえられているかどうかチェックすることをおすすめします。

欄外部分の書き方

作業員名簿には記入する欄がたくさんあり、全て正確に漏れなく記入する必要があります。

まずは、欄外部分の書き方を解説します。

クラフトバンク総研では作業員名簿の無料エクセルテンプレートをプレゼントしていますので、ぜひコチラを参考にしながらご覧ください。

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①事業所の名称・現場ID

工事を実施する作業場所、もしくは工事の名称を記入します。

・〇〇新築工事

・〇〇作業所

・〇〇改修工事

上記のように表記します。

元請会社から名称の記載について指示がある場合は、その指示に従って入力してください。

②所長名

所長名とは、元請の現場代理人のことを指します。

自社の親会社ではなく、元請の現場管理人を記入する必要があるため注意しましょう。

③作成日

作業員名簿を作成した日付を記入します。

④一次会社名・事業者ID

作業員名簿を提出する一次会社名・事業者IDを記入しましょう。

会社名の他に、代理人の名前でも可能です。

⑤( 次)会社名・事業者ID

この欄には、自社会社名を記入します。

必ず、()内には、自社が何次請であるかどうかも忘れずに書きましょう。

⑥提出日

提出日の目処が立っている場合は、提出日を記入します。

まだ提出日が確定していない場合は、提出する直前に記入すると良いでしょう。

欄内部分の書き方

ここからは、作業員名簿のほとんどを占めている欄内部分の書き方について詳しく解説します。

⑦番号

この番号は通し番号を意味します。

上から順番に1、2、3と記入しましょう。

⑧ふりがな・氏名・技能者ID

労働者の名前を記入する最も重要な場所です。

このとき、氏名に誤りがあると現場入りする際に身分の証明ができなくなってしまいます。

氏名に関する問題は頻繁に起こりがち。

作業員名簿を記入する際には細心の注意を払いましょう。

また、作業員名簿が完成してから新しい労働者が増えることもあるはずです。

その場合は、新しく名簿を作り直すか、最後に書かれている労働者の続きに書き足しましょう。

⑨職種

「職種」には、工事の役割を記載しましょう。

建設業界では,職種の呼び方は微妙に違うことがあってどの名称で記載すればいいかと悩むことがあるかもしれませんが、役割がわかる名称を記載すれば問題ありません。

⑩※(特記事項)

この欄は、略語で書かれるため少しわかりづらい印象ですが、作業員名簿における必須項目です。

上記が代表的な入力例となります。

意味を確認しながら適切なものを選び入力していきましょう。

⑪雇入年月日

作業員が会社に雇用された年月日を記入します。

⑫生年月日

作業員の生年月日と年齢を記入します。和暦・西暦どちらでも構いません。

ただし、18歳以下の未成年に関しては、年齢を証明できる書類を見せる必要があるので注意が必要です。

また、18歳未満の時間外労働や15歳未満の仕事内容の限度など、事前に確認した上で記入しましょう。

⑬現住所

現住所を記入します。

⑭家族連絡先と電話番号

作業中に事故や労災が発生した際の緊急連絡先を入力する箇所です。

両親や配偶者など身近な家族の連絡先を記入するのが一般的です。

⑮最近の健康診断日

直近の健康診断日を記入します。

労働安全性法により、雇用する場合は年に一度の健康診断が義務付けられています。

2年前や3年前の情報になっていないか、入念にチェックし更新することが大切です。

また、最低血圧と最高血圧を記入します。

個人情報になるため、保管にはくれぐれも注意を払いましょう。

⑯血液型

事故などで輸血が必要になった場合に必要な情報のため、正確な血液型を記入するよう注意が必要です。

⑰特殊健康診断日と種類

特殊健康診断を受けた日と種類を記入します。

体に有害をもたらす可能性のある作業員には、半年に一度の頻度で特殊健康診断の受診が義務付けられています。

仕事内容が該当しない場合は空欄で提出し、該当する場合は必ず記載しましょう。

有害業務の例は、以下の通りです。

  • 電離放射線
  • 高気圧業務
  • 特定化学物質
  • 有機溶剤
  • じん肺

上記は一例となるため事前に確認しておくと安心です。

⑱社会保険の加入状況

各社会保険の加入状況を記載しましょう。

健康保険

まず、加入している健康保険の種類を記入します。

健康保険の種類は以下から選択してください。

  • 協会けんぽ
  • 建設国保
  • 健康保険組合
  • 国民健康保険
  • 適用除外

保険証に記載されている番号の下4桁も記入し、4桁でない場合は記載されている番号を記入しましょう。

年金保険

当てはまる年金保険の種類を記入します。年金保険は番号を記載しなくても大丈夫です。

年金保険の種類は以下の通りです。

  • 厚生年金
  • 国民年金
  • 受給者

雇用保険

雇用保険は、通常の作業員の場合は空白で構いません。

なお、日雇労働被保険者の場合は日雇保険、事業主やその親族の場合は適用除外と記入しましょう。

⑲建設業退職金共済制度・中小企業退職金共済制度

未加入の場合は空欄、当てはまる場合は、どちらかに丸印をつけてください。

⑳雇入・職長・特別教育

全ての作業員は雇入教育を受けることを義務付けられているため、記入は必須です。

一方、職長教育や特別教育に関しては、受講している作業員がいる場合のみ情報を記入しましょう。

⑳技能講習

作業員が各都道府県の労働局に登録されている教育期間で受講した技能講習を受けた場合は、それらの情報を記載します。

このとき、技能講習は特別教育とは別物のため注意が必要です。

該当しない場合は「なし」と記入しましょう。

⑳免許

試験を受けて取得した免許を記入します。

ここでは、セミナーなどの受講形式のものは該当しないので注意しましょう。

また、段階に分かれている資格を保有している場合は、最も上位の資格を記入すると良いです。

㉑入場年月日

新規で入場する作業員に向けて、教育を実施した場合に年月日を記入します。

記入時点で不明な場合は、追記で対応可能です。

㉑受入教育実施年月日

受入教育実施年月日は、入場年月日と同じ日付になるはずです。

特別な事情がない限り、上記と同じ日付を記入しましょう。

㉒退職金共済手帳の所有の有無

退職金共済手帳の所有の有無の書き方は以下の通りです。

  • 建退共手帳を所有「建」
  • 中退共済手帳を所有「中」
  • その他の手帳所有の場合は「他」

また、手帳を所有していない場合は「無」を選択します。

作業員名簿の作成は義務?

建設業では、令和2年から作業員名簿を施工体制台帳の一部として作成することが定められました。

参考URL:施工体制台帳の作成等について(通知)

建設業法に基づく規制により、各建設業者は作業現場において作業員名簿を作成し、一人ひとりを正確に管理することが求められています。

作業員名簿は、事故が起こり得る作業現場で作業員の命の救済にも役立つ大切な書類です。

正しい作成方法を知り、有効に活用できるよう準備しましょう。

作業員名簿を作成した後はどうする?保存期間は5年間

作業員を雇用している会社であれば、必ず作業員名簿を作成しなければなりません。

作成後は、一次の会社がそれらの書類を元請の会社に提出するのが基本的な流れです。

ただ、書類作成を委任するという意思を書面で取得し、自社よりも下位の立場の会社の作業員名簿を作成する場合もあります。

そのため、作業員名簿を作成する際は、自社のもの・下請会社のもの、どちらのものなのか事前に確認してから行うのが重要なポイントです。

また、作業員名簿は安全書類であり、安全書類は建設業法の第四十条の三に記載のあるとおり保存が義務付けられています。

第四十条の三 建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その営業所ごとに、その営業に関する事項で国土交通省令で定めるものを記載した帳簿を備え、かつ、当該帳簿及びその営業に関する図書で国土交通省令で定めるものを保存しなければならない。

保存期間としては、原則5年間になります。

作業員名簿を作成する際の注意点

作業員名簿は、作業員の個人情報や安全を守るため、丁寧に作成し保持する必要があります。

ここからは、作業員名簿を作成する際の2つの注意点を紹介します。

証明書類の添付について

作業員名簿では、記載している資格や免許を証明するためのコピーの添付が必要です。

中には、証明の取得に時間がかかる場合があるため、余裕を持って書類を集めておくと安心です。

記入できない項目がある場合について

作業員名簿作成時点で、不明点や記入できない欄がある場合は、まず空欄のまま作成し後ほど手書きで記入することも認められています。

書類の見た目が悪くなるのが心配な場合は、全ての情報が集まってから作成をスタートしましょう。

まとめ

今回は、作業員を雇用する際に作成が義務付けられている「作業員名簿」について詳しく解説しました。

作業員名簿とは、作業員がより安心・安全に働くために、雇用側が把握しておくべき重要な書類です。

一見作成が難しそうな作業員名簿ですが、作業員の大切な個人情報なので丁寧に作成し、取り扱いにも細心の注意を払いましょう。

これから作業員名簿を作成される方に、この記事が参考になれば幸いです。

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