塗装工事の近隣挨拶文の例文・マナーやテンプレートを紹介

目次
近隣挨拶文とは、ご近所の方に工事開始をアナウンスするための文書です。
塗装工事中は塗料の匂いや水の飛散で、近隣の方に迷惑をかける可能性があります。
事前に工事内容や注意点を近隣挨拶文で知らせることで、トラブルを防止できるのです。
この記事では、塗装工事における近隣挨拶文の例文や、注意すべきマナーについて解説します。
工事での近隣トラブルを防止したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
塗装工事の近隣挨拶文とは

塗装工事の近隣挨拶文とは、近隣の住民の方に向けて、工事開始をお知らせするための挨拶文です。
工事中は塗料による匂いや水の飛散、騒音などで近隣の方にご迷惑をかける可能性があります。
挨拶なしに工事が始まり「工事を知らされていなかったので洗濯物に塗料がかかった」などのトラブルに発展するケースは少なくありません。
トラブルを未然に防ぐために、塗装工事の前には近隣挨拶文を作成しておきましょう。
塗装工事における近隣挨拶文の必要性

塗装工事における近隣挨拶文の必要性を4つ紹介します。
- 近隣の方とのトラブルを防げる
- 企業としての信頼性が向上する
- 近隣の方が不在の場合でも対応できる
- 工事内容を正確に伝えられる
工事現場の周辺に住んでいる方にとって、作業による騒音・匂いは不快感を覚えるものです。
事前の説明なしに工事が始まると、クレームによるトラブルが発生し、工事が中断される恐れがあります。
挨拶回りをして理解を得られれば、トラブル防止だけでなく、企業の信頼性アップも期待できるでしょう。
また、近隣挨拶文を作ると、ご近所の方が不在の場合でも対応可能です。
文面で工事内容を提示することで、言った・言わないによる認識違いを防げます。
塗装工事で起こりやすいトラブル

塗装工事で起こりやすいトラブルを4つピックアップしました。
- 作業中の騒音
- 塗料の匂い
- 工事車両の駐車
- 塗料・水の飛散
1つずつ見ていきます。
作業中の騒音
足場の組立時に発生する音や、外壁を洗浄するときのエンジン音、作業員の話し声など……。
足場の組立・解体や高圧洗浄は1日がかりの作業のため、長時間にわたって騒音が鳴り響き、近隣の方にストレスを与えてしまいます。
建物同士の間隔が狭い場合、特に騒音が気になる傾向にあります。
塗料の匂い
塗装工事で使用する塗料は「水性」と「油性」の主に2種類です。
油性塗料のシンナー臭は、頭痛やめまいなどの体調不良を引き起こす可能性があります。
中でも、妊婦さんや赤ちゃん、ペットは刺激臭による影響を受けやすいです。
水性塗料のほうが匂いを軽減できますが、敏感な方であれば水性のものでも匂いにストレスを感じます。
工事車両の駐車
作業期間の工事車両によるトラブルの例は、次のとおりです。
- 工事車両が出入りする際の騒音が気になる
- 子どもと工事車両が接触しそうになる
- 工事車両が道路をふさいでいる
- 工事車両が邪魔で車を出し入れしにくい
塗装工事では荷物を下ろすために、作業車が頻繁に出入りします。
道路の安全性・利便性を大きく損ねてしまうケースがあるので、事前に近隣の方へ挨拶することが重要です。
塗料・水の飛散
塗装工事では塗料が飛散したり、洗浄中に水が飛び散ったりします。
飛び散りを防止するためにビニールを使って養生しても、完璧に保護することは難しいです。
たとえば、天候の影響で予想外の部分に塗料・水がかかる恐れがあるので注意してください。
工事内容によっては、ご近所の方に以下のような対応をお願いする場合があります。
- 工事中に車を移動してもらう
- カーカバーを装着してもらう
- 洗濯物を干すタイミングを調節してもらう
近隣の方と工事のスケジュールを共有して、上記の協力を得ましょう。
塗装工事における近隣挨拶文の項目

塗装工事における近隣挨拶文の項目は、主に6つあります。
- 日付
- 宛名
- 施工業者
- タイトル
- 本文
- 別記
記入する内容や注意点について、詳しく解説していきます。
日付
日付の欄には「挨拶文を書いた日」または「差出予定日」の年月日を記入しましょう。
宛名
誰に向けた挨拶文なのかが分かるように、宛名を明記します。
「ご近隣の皆様へ」や「ご近所の皆様へ」と記載するのが一般的です。
マンション工事の場合は「〇〇マンションご入居者の皆様へ」と記入します。
施工業者
挨拶文の作成者として、自社の名称を書きましょう。
「株式会社〇〇」のように、正式名称を示すのがマナーです。
タイトル
挨拶文の要件を伝えるための項目です。
タイトルには「工事のご案内」や「工事着工のお知らせ」と明記します。
工事の挨拶だと一目見て分かるように、上のほうに大きく記入しましょう。
本文
ビジネス文書の書き方に沿って本文を記します。
一般的な本文の構成を、以下にまとめました。
- 頭語……「拝啓」「啓上」「一筆申し上げます」など
- 時候の挨拶……季節の挨拶
- 感謝の挨拶……日頃の厚情へのお礼
- 主文……「さて」「つきましては」から始め要件を記す
- 末文……謝罪の挨拶や結びの言葉
詳しい書き方については「塗装工事における近隣挨拶文の例文」を参考にしてみてください。
別記
別記の欄に提示する情報は、次のとおりです。
- 工事内容
- 工事場所
- 発注者
- 工事期間
- 工事時間
- 注意事項
- お問い合わせ先
お問い合わせ先には、会社名や現場担当者、電話番号などを記載します。
塗装工事における近隣挨拶文の例文

塗装工事における近隣挨拶文の例文を紹介します。
令和〇年〇月〇日
株式会社✕✕
近隣の皆様へ
工事着工のご挨拶
拝啓 時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
さて、この度〇〇塗装工事を実施することとなりました。
工事中は安全の確保に十分な対策をして参ります。
工事に伴いご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご理解とご協力の程、よろしくお願い申し上げます。
なお、質問等ございましたら下記までご連絡いただけますよう、お願い申し上げます。
記
工事内容:塗装工事
工事場所:△△市△△町△△
発注者:株式会社〇〇
工事期間:〇〇年〇月〇日(〇)~✕✕年✕月✕日(✕)
作業時間:△△時~〇〇時まで
注意事項:塗装時に家財の養生をさせていただく可能性があります
お問い合わせ先
株式会社✕✕
住所:△△県△△市△△町△△
電話番号:0000-000-0000
メールアドレス:〇〇
担当者:✕✕
以上
状況に応じて必要箇所を書き換えながら近隣挨拶文を作成しましょう。
塗装工事の近隣挨拶で注意すべきマナー

塗装工事の近隣挨拶で注意すべきマナーを6つ紹介します。
- 塗装工事が始まる1週間前に挨拶をする
- 挨拶する範囲は「両隣・向かい・裏」
- 挨拶するときは手土産を持参する
- 挨拶では工事の概要を伝える
- 施主も同行して挨拶を行うのが理想的
- 近隣挨拶文はわかりやすく丁寧な表現を用いる
挨拶時に失礼な対応を行わないように、ぜひ参考にしてみてください。
塗装工事が始まる1週間前に挨拶をする
挨拶は塗装工事が開始する1週間前に行いましょう。
工事直前に挨拶に行くと「急に言われても困る」とトラブルになる恐れがあります。
相手が在宅している可能性が高い「日中の10〜16時」が望ましいです。
7〜9時は朝の準備、17〜19時は夕食で忙しいご家庭が多いからです。
なお、お昼の時間帯である12〜13時も避けましょう。
何度訪問しても留守の場合は、近隣挨拶文と粗品をポストか玄関付近に置いておきます。
挨拶する範囲は「両隣・向かい・裏」

挨拶する範囲に明確な決まりはありませんが「両隣・向かい・裏」が一般的です。
上記の画像の場合であれば、両隣の2軒と向かいの3軒、裏の3軒に挨拶をします(青枠部分)。
ただし、敷地の形状や塗装方法、道路状況によって挨拶の範囲は異なります。
工事によってどこまで影響が出るかを検討した上で、挨拶する箇所を決めると安心です。
挨拶するときは手土産を持参する
挨拶時は手土産を持参しましょう。
手土産の金額は200〜1,000円程度が目安です。
安すぎると失礼にあたる心配があり、高すぎると気をつかわせてしまいます。
手土産の品物は
- タオル
- 洗剤
- スポンジ
- ラップ
- お菓子
上記のような、どのご家庭でも使う消耗品が向いています。
香りや味で好みが分かれるものは避けるのが無難です。
なお、挨拶の手土産において、のし紙は必須ではありません。
もしつける場合は「ご挨拶」と表書きを入れれば、誠意が伝わりやすいです。
挨拶では工事の概要を伝える
挨拶の際に伝える内容は
- 工事の内容
- 工事場所
- 工事の期間
- 工事の時間帯
- 土日祝の工事の有無
- 自社の名称と連絡先、担当者名
- 近隣の方にお願いすること
上記7点です。
いつ・どこで・誰が工事を行うのかを正確に伝えておきましょう。
連絡先や担当者名を知らせておくと、相手に安心感を与えられます。
ご近所の方へのお願いの例は、以下のとおりです。
- 〇日は足場組立による騒音が発生しますので、できるだけ窓を閉めてください。
- ✕日は塗料・水が飛散する可能性があります。ご迷惑をおかけしますが洗濯物は室内干しでお願いいたします。
- 〇〜△日はトラックが出入りします。車の通行にご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
- ✕✕を塗装するので、お車にカーシートをかけさせていただけますでしょうか。
工事の概要を見直せるように、口頭にて伝えた内容を近隣挨拶文にも記載しておくとよいでしょう。
施主も同行して挨拶を行うのが理想的
施工業者と施主が、一緒に工事挨拶を行うのが理想的です。
挨拶時には、近隣の方から「こういう場合はどうすれば?」や「ペットがいるけれど大丈夫?」などの質問を受ける可能性があります。
状況に応じて正しく質問に回答するためには、専門的な知識を持った業者が対応しなければいけません。
加えて、施主が同行するほうが、ご近所の方に安心して話を聞いてもらえるでしょう。
可能であれば、業者と施主で訪問するタイミングをそろえると、挨拶がスムーズに進みます。
近隣挨拶文はわかりやすく丁寧な表現を用いる
近隣挨拶文を読むのは、塗装工事に馴染みのない方々です。
専門用語はできるだけ避け、誰が読んでも内容を把握できるような書き方にする必要があります。
また、工事を行うことで、近隣の方にはどうしても迷惑をかけてしまいます。
「お願いする立場」であることを踏まえ、近隣挨拶文では丁寧な表現を心がけましょう。
まとめ:塗装工事でトラブルを防ぐために!近隣挨拶文を用意しておきましょう
今回の記事は、塗装工事における近隣挨拶文の例文や、注意すべきマナーを解説しました。
挨拶回りをする際は
- 塗装工事が始まる1週間前に挨拶をする
- 挨拶する範囲は「両隣・向かい・裏」
- 挨拶するときは手土産を持参する
- 挨拶では工事の概要を伝える
- 施主も同行して挨拶を行うのが理想的
- 近隣挨拶文はわかりやすく丁寧な表現を用いる
上記6点を意識しましょう。
近隣の方への挨拶を怠ると、クレームやトラブルにつながります。
今回紹介した例文を見ながら、近隣挨拶文を作成しましょう。