解体工事の見積もり算出方法は?費用の内訳・相場についても解説

解体工事の見積もり算出方法は?費用の内訳・相場についても解説のイメージ写真
目次

解体工事を依頼され、実施するうえでは、実際の工事にかかる費用を正確に算出し、見積もりとして提示する必要があります。その際に気になるのが、解体工事の見積もりを算出する方法ではないでしょうか。

本記事では、解体工事の見積もり算出方法を紹介しています。また、見積もり算出方法と合わせて覚えておきたい、

  • 解体工事における見積もりの種類
  • 解体工事にかかる費用の内訳と相場
  • 解体工事にかかる「期間」の見積もり
  • 解体工事の見積書を作成する際のポイント

上記についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

解体工事の見積もりはどのように算出する?

解体工事の見積もりは、一般的には「坪単価×延床面積」の式を使用して総額が算出されます。坪単価とは、建物の構造によって設定される単価で、各階の坪数を合計してその数値に当てはめます。

これにより、構造や面積、階数による費用の違いを反映した見積もりを作成することが可能です。

解体工事における見積もりの種類

解体工事における見積もりには、現地調査ありの見積もりと概算見積もりの2種類が存在します。ここでは、それぞれの見積もりに関して、概要を紹介します。

現地調査ありの見積もり

解体工事における現地調査ありの見積もりとは、現場を直接確認する形で見積もりを算出するスタイルのことです。

解体工事の依頼者が在住するエリアを訪れ、建物の具体的な状態や周囲の状況を把握し、それに基づいた詳細な費用計算や工程計画を立案するプロセスにより見積もりを算出します。

現地調査を伴う見積もりは、後述する概算見積もりとは異なります。主な違いは、現場の実際の状況を直接確認することで、より精密な費用を算出できることです。

精密な費用を算出することで、写真等の資料を用意する必要もなくなります。

なお、現地調査の多くは基本的に無償で実施します。あくまで見積もりの結果をもとに依頼者との関係性を構築し、契約の締結につなげるためのステップであるため、見積もり段階で料金を取るのはおすすめできません。

概算見積もり

概算見積もりとは、現地調査を伴わず、土地の図面やその他の情報を基に、概ねの費用を算出する見積もりのことです。解体業者が事前に予想される解体費用を試算し、依頼者に提供する形を指します。

概算見積もりについて、注意すべき点は、この段階での見積もりは確定的なものではないということです。したがって、解体工事を進行する場合には、より精確な費用を算出し、依頼者からの信頼を獲得するために、現地での具体的な調査を行うべきでしょう。

解体工事にかかる費用の内訳と相場

解体工事にかかる主な費用相場は、以下のとおりです。

項目

概要と相場

解体費用

・解体する建物の「構造」と「広さ」によって変動

廃棄物運搬費用

・廃材の種類によって変動する

廃棄物処分費用

・3,000円~8,000円/㎥

付帯構造物撤去費用

・ブロック塀の解体費用:1万円/本

残置物撤去費用

・家屋内の残置物処分にかかる費用:1万円/㎡

養生費用

・300~500円/㎡

重機回送費

・3~5万円

ガードマン費用

・1万5,000円〜2万円/日

申請費用

・4~5万円

解体工事の見積書にはさまざまな項目が計上され、それぞれが独自の算定基準に基づいて金額計算が行われます。

例えば、ガードマン費用の場合、その算定は「人数×勤務日数」をもとに行われます。これにより、ガードマンの人数と勤務日数による費用の違いを正確に反映することが可能です。

なお、上記で挙げた項目はすべて合計され、最終的な解体工事の総額が導き出されます。それぞれの項目がどのように計算されるのかを理解することで、見積もりの内容を深く理解し、必要な費用を把握できるでしょう。

解体工事にかかる「期間」の見積もりについて

解体工事の見積もり金額は、工事にかかる期間に応じて変動する側面もあります。工事期間が長くなるほど、工事にかかる費用も大きくなりやすいでしょう。

たとえば、鉄骨やRC造の建物は構造が強固であるため、通常は3週間から1ヶ月と解体作業に時間がかかりがちです。一方、木造建物の場合、鉄骨やRC造に比べて解体が比較的容易であるため、一般的には2週間程度で解体工事が完了し、解体費用も抑えられるでしょう。

このように解体工事の費用は、解体する建物の特徴に基づく「工事期間」によって、変動することも視野に入れたうえで算出する必要があります。

解体工事の見積書を作成する際のポイント

ここでは、依頼主とのトラブル発生を防ぐために覚えておきたい、見積書作成時のポイントを以下の視点から解説します。

  • 極端に安い金額を記載しない
  • 室内残置物に関して記載しておく
  • アスベスト除去費用を含める
  • 法定福利費を内訳明示して作成する

なお、解体工事における見積書を作成する際は、参考となるフォーマットを入手しておくことが大切です。

フォーマットをどこで入手すべきか悩んでいる場合は、弊社クラフトバンクが無料でプレゼントしている見積書テンプレートをぜひご活用ください。

見積書テンプレートを無料で受け取る

極端に安い金額を記載しない

解体工事の見積もり作成に際し、過度に安い価格設定は避けるべきです。極端に安い見積もりを提示すると、養生の不備や廃棄物の不法投棄など、問題を含んでいると勘違いされる可能性があります。

また、安すぎる見積もり価格は、廃棄物処理法や建設リサイクル法に基づく適切な処理が行われていない可能性も示唆してしまいます。さらに、安い業者は適切な積算を行っていないか、必要な費用を初期見積もりに含めていないと判断されやすいため、注意が必要です。

室内残置物に関して記載しておく

見積書作成時は、特に室内残置物についての詳細な記載を忘れずに行いましょう。

解体対象の建物内に冷蔵庫やエアコンなどの残置物が存在すると、それらの撤去に追加費用が発生する可能性があります。トラブルを避けるためにも、これらの撤去に必要な費用を見積書に明記しておきましょう。

さらに、冷蔵庫やテレビなどのリサイクル家電は、通常の室内残置物の撤去とは別に計上することがあります。そのため、どのアイテムがリサイクル家電に該当するのかを事前に把握しておくことが重要です。

アスベスト除去費用を含める

解体工事において、アスベスト含有資材が使用されている場合、その処理費用を見積もりに含む必要があります。

2022年4月以降、事前のアスベスト調査が事実上必須となり、その調査費用も解体工事費用に含まれるようになりました。

アスベストの解体費用相場は1平方メートルあたり10,000~8万5,000円で、この費用は通常の解体工事費用に加えて算入します。

法定福利費を内訳明示して作成する

解体工事の見積書を作成する際は、法定福利費を内訳明示することも重要です。内訳として明示する法定福利費は、以下複数のパターンで算出できます。

  • 法定福利費=労務費総額×法定保険料率 
  • 法定福利費=工事費×工事費当たりの平均的な法定福利費の割合
  • 法定福利費=工事数量×数量当たりの平均的な法定福利費

情報引用:国土交通省|法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順

国土交通省が提示する「法定福利費を内訳明示した見積書の作成手順」では、法定福利費を内訳明示した見積書の概要や保険料率の考え方、見積書の作成例なども記載されているので参考にしてみてください。

まとめ

今回は、解体工事の見積もりに関する、以下のトピックについてまとめました。

  • 解体工事の見積もり算出方法
  • 解体工事における見積もりの種類
  • 解体工事にかかる費用の内訳と相場
  • 解体工事にかかる「期間」の見積もり
  • 解体工事の見積書を作成する際のポイント

正確かつ詳細が記載された見積もりは、依頼者からの信頼を得るためにも重要です。反対に、内容が不明瞭な見積書を提示していては、依頼者から信頼されず、工事契約の締結につながりにくいでしょう。

本記事で紹介した内容を参考に、解体工事を行ううえでの見積もりの重要性を理解し、生活かつ詳細に記載された見積書を作成してください。

なお、解体工事における見積書を作成する際は、参考となる見積もりフォーマットを入手しておくことが大切です。

フォーマットをどこで入手すべきか悩んでいる場合は、弊社クラフトバンクが無料でプレゼントしている見積書テンプレートをぜひご活用ください。

見積書テンプレートを無料で受け取る