建設業で覚えておくべきさまざまな流れ|工程ごとの詳細を解説

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目次

建設業の採用活動を成功させるには、業界特有の業務プロセスを客観的に把握し、周知できるまでに落とし込むことが不可欠です。

今回は建設業におけるさまざまな「流れ」を、以下の工程ごとに解説します。

  • 「1日」の流れ
  • 「工事」の流れ
  • 「受注」の流れ
  • 「引渡し」の流れ
  • 「許可申請」の流れ


本記事の内容は採用活動だけでなく、現場の理解を深め従業員のモチベーション向上にも役立つ内容となっているため、ぜひ最後までご覧ください。

建設業における「1日」の流れ

建設業の現場では、多岐にわたる業務が1日の中で進められます。

ここでは、一般的な建設現場における1日の流れを時系列で紹介します。

1.朝の準備と情報共有

朝は現場事務所への直行からスタートするのが一般的です。
1日の作業計画を確認し、必要な準備を整えることでスムーズな作業開始が可能になります。

朝礼では準備運動を行い、作業内容や注意事項を共有します。
安全確保を目的とした危険予知活動(KY活動)や機械・車両の点検も、建設業の1日において欠かせないステップです。

2.現場作業と進捗管理

朝礼の後は、現場巡回を行いながら作業員とコミュニケーションを取ります。
体調や保護具の状況を確認し、必要に応じて作業指示を行います。

また、進捗状況の把握や工事写真撮影、品質検査や図面・書類の作成といった業務をあわせて進めることも多いでしょう。

3.午後の作業と調整

午後になると、発注者や協力業者との打ち合わせが行われます。
進捗状況や課題を共有し、今後の作業が円滑に進むよう調整します。

また、資材の発注や測量業務も午後に進められるパターンが多いでしょう。

4.終業と翌日の準備

作業終了前には再度現場を巡回し、作業員とのヒアリングを通じて問題点がないか確認を行います。
作業終了後は片付けや現場の整理整頓、戸締りや最終点検を実施します。

また最後に、作業員と進捗や翌日の予定について情報を共有することもあるでしょう。

5.事務作業と記録

事務所に戻った後に1日の作業内容を記録し、翌日の作業指示書や関連書類を作成します。
工事写真は当日中のうちに整理し、正確な記録を残すことで今後の作業効率向上につながるでしょう。

建設業における「工事」の流れ

建設工事は緻密な計画のもと、いくつもの工程を経て完成します。

以下に、一般的な建設工事の流れを主なステップごとに分けて説明します。

1.計画・設計段階

まず、クライアントの要望や建設予定地の条件を詳しく調査します。
調査結果を基に基本設計を進め、設計図書を作成します。
完成した設計図書は関係機関に提出し、確認申請の承認を得るまでが基本的な流れです。

また、承認後に工事費用の見積もりを行い、詳細なスケジュールを策定することもあります。

2.着工準備・基礎工事

工事に先立ち、近隣住民への挨拶や必要書類の届け出を済ませる必要もあります。
仮設事務所の設置や資材搬入ルートの確保、安全な作業環境の整備を実施し、いよいよ着工です。

地鎮祭を執り行い、建物の配置や高さを精密に測定します。その後、地盤に杭を打ち込む基礎工事を行います。

3.躯体工事・外装工事

地下部分の掘削を行い、建物を支える地下構造物を構築します。
続いて、鉄骨やコンクリートで建物の骨格となる躯体を組み立てます。

躯体が完成すると外壁材の取り付けや防水処理などが進められ、建物の外観が形づくられる流れです。

4.内装工事・設備工事

建築工事と設備工事は、密接に連携しながら進められることが一般的です。
建物内部では、間仕切り壁・天井・床などが施工され、内装が完成に向けて進行します。
同時に、電気配線・給排水設備・空調設備などのインフラ設置も行われます。

5.完成・引渡し

全工程が終了した後、最終検査を実施します。
問題がないことを確認したうえで、クライアントに建物を引き渡します。

最終検査の際は、建物の維持管理に関する説明もあわせて行うことが多いでしょう。

建設業における「受注」の流れ

建設工事の受注においても、いくつかの重要なステップがあることを覚えておきましょう。

一般的な建設工事受注の流れについて、段階ごとに詳しく解説します。

1.設計業者との連携

民間工事の場合、最初にクライアントが設計業者を選びます。
設計業者は、クライアントの要望・予算・建設予定地の状況などを考慮して設計図を作成します。

作成した設計図を基に、建設に必要な資材や工法を決定し、工事費用の積算が行われるのが基本的な流れです。

2.見積もりと価格交渉

設計図および積算内容に基づき、建設会社は見積書を作成しクライアントに提出します。
クライアントは複数の建設会社から見積もりを取り寄せ、価格や工事内容を比較検討する場合が多いでしょう。

そのため建設会社は、クライアントとの価格調整や工事内容の細かな調整に関する交渉も行わなければなりません。

3.契約締結

クライアントが建設会社を選定し、工事内容や金額について合意が得られたら、契約書を取り交わします。
契約書に記載される内容は、以下のとおりです。

  • 工事範囲
  • 工期
  • 請負金額
  • 支払い条件

工事に関わる重要事項が明記された契約書を通じた締結により、受注が完了します。

4.公共工事における入札

公共工事の場合、受注は入札によって決定されます。
入札に参加するには、以下の要件をクリアしなければなりません。

  • 建設業許可
  • 経営事項審査
  • 入札参加資格審査

建設会社は提示する工事価格を基に入札に参加し、最も低価格を提示した会社が落札者となります。
なお、落札後は契約を結び、工事の着工へと進むのが一般的です。

建設業における「引渡し」の流れ

建設工事の最終段階である引渡しは、完了検査や書類の確認といった複数の手続きを経て実施されます。

ここでは、一般的な建設工事における引渡しの流れを見ていきましょう。

1.完了検査の実施

工事がすべて完了した段階で、発注者と受注者が立ち会いのもと完了検査を行います。完了検査で確認する内容は、以下のとおりです。

  • 設計図書に基づいて施工が進められたか
  • 品質基準を満たしているか

完了検査の段階で不備が発見された場合、受注者は迅速に修正工事を実施し、再度検査を受ける必要があります。

2.必要な書類の提出と確認

完了検査を無事に終えたら、受注者は以下の書類を発注者に提出します。

  • 竣工図
  • 保証書
  • 検査済証

発注者は書類を詳細に確認し、内容に問題がなければ引渡しに向けた最終チェックを行います。

3.建物の引渡し

書類確認が完了すると、建物の引渡しが正式に行われます。
引渡し時点で、鍵の受け渡しや設備の使用方法の説明が実施されるほか、建物の維持管理に関する重要な情報も共有されます。

4.費用の精算と工事の完了

引渡しと並行して、最終的な工事費用の精算が行われます。
支払い手続きが完了し、すべての書類手続きが終了した時点で、建設工事は正式に完了します。

建設業における「許可申請」の流れ

建設業を営むためには、建設業許可を取得することが不可欠です。
許可申請のプロセスは、複数の段階を経て進められます。

最後に、建設業における許可申請の流れを見てみましょう。

なお、建設業許可に関する詳細は以下の記事もあわせてご覧ください。

建設業許可に必要となる6つの要件|要件緩和や取得する流れを解説

1.許可の種類の決定

まず、自社の事業内容や規模に応じて、取得すべき許可の種類を決定します。

建設業の許可には、以下の種類があります。

  • 営業所の所在地に基づく「知事許可」と「大臣許可」
  • 請負工事の規模による「一般建設業許可」と「特定建設業許可」

さらに、請負工事の種類ごとの29業種があります。
それぞれの許可に必要な条件が異なるため、自社に最適な許可を慎重に選ぶことが重要です。

2.許可要件の確認

次に、選定した許可を取得するための条件を確認します。
建設業許可を得るには、適正な経営体制や専任技術者の配置、誠実性や財産的基盤など、多岐にわたる要件を満たす必要があります。

また、要件に適合していることを証明するための書類も必要です。

3.申請書類の作成・収集

要件を満たしていることを確認したら、申請に必要な書類を収集・作成します。
申請書類には申請書一式に加え、履歴事項全部証明書や登記されていないことの証明書などの証明書類も含まれます。

法務局や市区町村の公的機関から取得する必要があり、手続きには時間を要することもあるため、余裕を持って準備を進めましょう。

4.許可行政庁への申請と審査

書類が揃ったら、許可行政庁に提出します。
申請先は許可の種類や営業所の所在地によって異なり、手続き方法や手数料の支払い方法も変わる場合があるため、事前に確認が必要です。

申請後、行政庁での審査が行われます。
審査期間の目安は、知事許可でおよそ30日、大臣許可の場合は90日から120日程度です。

5.建設業許可通知書の受領

審査が完了し許可が下りると、建設業許可通知書が交付されます。
建設業許可通知書は建設業許可の取得を証明する重要な書類で、許可番号が記載されています。

通知書の交付を受けた時点で、正式に建設業を営むことが可能になるのです。

まとめ

建設業における各種業務の流れを理解することは、採用活動を円滑に進めるうえで欠かせない視点です。
1日の業務スケジュールや工事の進行プロセス、受注から引き渡しまでの一連の流れ、さらには許可申請の手続きに至るまで、各工程にはそれぞれ明確な目的と役割があります。

建設業におけるさまざまな流れについて改めて把握し、求職者に建設業の魅力や具体的なキャリアパスを伝えることで、関心を引きつけることが可能です。