建設業の仕事内容は?関連職種の詳細も踏まえて解説

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目次

建設業は、社会の基盤を支えるうえで欠かせない重要な役割を果たしている産業です。
住宅や道路、橋梁や鉄道といった日常に直結する施設をつくり出す仕事は、高度な専門知識と幅広い技術の活用が求められます。

本記事では建設業について、以下の観点から分かりやすく紹介します。

  • 建設業の概要
  • 区分別の仕事内容と例示
  • 建設業と関連深い業界・職種について


本記事の内容を参考にすることで、建設業界への理解がさらに深まるでしょう。

そもそも「建設業」とは

建設業とは、生活基盤を形作るために必要な施設やインフラを建設・整備する仕事のことです。
住宅や商業施設、道路など日常生活に欠かせないものを作り上げる重要な役割を担っています。

建設業の分野は、大きく「建築」と「土木」の2つに分類されます。

  • 建築:住宅やマンション、オフィスビル、商業施設など、日々人々が利用する建物をつくる仕事
  • 土木:道路や橋、トンネルなど社会のインフラ基盤を整備する仕事

また、建設業は現場での作業だけにとどまりません。
設計や営業、技術管理といったさまざまな部門が協力し、民間企業や公共機関から依頼されるプロジェクトを進めていきます。

【区分別】建設業の仕事内容と例示

建設業には多岐にわたる専門的な業種があり、それぞれが異なる役割を果たしています。

以下では、各業種の仕事内容と具体例について説明します。

参照:国土交通省|建設工事の内容、例示、区分の考え方

土木一式工事

道路や橋、トンネルといった土木工作物を総合的に建設する工事です。
ダムや上下水道施設の建設、さらにプレストレストコンクリートを用いた橋梁の工事などが含まれます。

建築一式工事

住宅やオフィスビル、マンションなどの建築物を対象に、企画から指導、調整を行いながら建設を進めるのが特徴です。
商業施設や避難階段の設置が該当します。

大工工事

木材の加工や取り付けを行い、柱や梁などの骨組みを組み立てる工事です。
さらに、建具の設置作業も該当します。

左官工事

壁や天井の仕上げを目的に、漆喰やモルタルを用いて塗装する工事を指します。
モルタル防水工事も、左官工事の一部です。

とび・土工・コンクリート工事

足場の設置や重量物の運搬(とび工事)、くい打ちや土砂掘削(土工)、コンクリートでの基礎工事を行う総合的な工事です。

石工事

石材を加工・積み上げて行う工事全般を指します。
石塀・石垣の構築や石畳の設置などが該当します。

屋根工事

瓦やスレート、金属薄板を使用して屋根を葺く工事です。
瓦屋根や板金屋根の施工が該当します。

電気工事

発電設備や変電設備、送電設備など電気設備の設置を行います。
屋内配線工事や照明器具の設置、太陽光発電設備の設置などが具体例です。

管工事

給排水設備や衛生設備、ガス管設備などを利用し、水や油、ガスなどの送配を行う設備を設置する工事です。
具体的には、水道管や排水管、ガス配管工事、空調設備の設置が含まれます。

タイル・れんが・ブロック工事

タイル・れんが・コンクリートブロックを用いて工作物を築造したり、壁面などに取り付けたりする工事です。
タイル張りやレンガ積み、ブロック塀の施工が挙げられます。

鋼構造物工事

形鋼や鋼板などの鋼材を加工し、組み立てて構造物を築造する工事を指します。
鉄骨造の建物や橋梁、鉄塔の建設が工事内容の例です。

鉄筋工事

棒鋼などの鋼材を加工・接合・組み立てて鉄筋を製作する工事のことです。
鉄筋コンクリート造の建物に必要な、鉄筋の組み立て作業が例に挙げられます。

舗装工事

道路などの地盤面をアスファルトやコンクリートで舗装する工事です。
道路舗装・駐車場舗装・歩道舗装などが含まれます。

しゅんせつ工事

河川・港湾などの水底を浚渫する工事を指します。
航路の確保や水深の維持のために、底泥をさらう作業などを行います。

板金工事

金属薄板などを加工のうえで工作物に取付けたり、金属製の付属物を取付けたりする工事です。
屋根や外壁の板金工事、ダクト工事などが含まれます。

ガラス工事

工作物にガラスを加工し、取り付ける工事を指します。
窓ガラスやドアガラスの設置、ガラスフィルムの施工などが例に挙げられます。

塗装工事

塗料などを工作物に吹付け・塗付け・はり付ける工事が該当します。
外壁塗装・内装塗装・鉄骨塗装などが例に挙げられるでしょう。

防水工事

アスファルトやモルタル、シーリング材などを使用し、建築物の防水を行う工事です。
屋上防水・ベランダ防水・浴室防水などが主な例です。

内装仕上工事

木材・石膏ボード・壁紙などを使用し、建築物の内装を仕上げる工事です。
天井や壁のクロス張り、床材の施工や間仕切りの設置などが挙げられます。

機械器具設置工事

工作物に機械器具を取付ける工事です。
プラント設備の設置、エレベーターの設置、空調設備の設置などが含まれます。

熱絶縁工事

工作物や設備を熱絶縁する工事を指します。
断熱材を施工して、熱の移動を抑制する作業を行います。

電気通信工事

電気通信設備の設置工事です。
電話線やLANケーブルの配線工事、アンテナ設置や通信機器の設置などが含まれます。

造園工事

庭園・公園などの苑地を築造したり、道路や建物の屋上などを緑化したりする工事を指します。
植生の復元や樹木の植栽、芝張り・園路の設置を行うこともあるでしょう。

さく井工事

さく井機械などを使って、井戸を掘削する工事です。
飲料水や農業用水を得るための、井戸の掘削などが挙げられます。

建具工事

工作物に、木製もしくは金属製の建具を取付ける工事です。
ドアや窓の設置、ふすまの設置などが該当します。

水道施設工事

上水道・工業用水道などのための取水や浄水、配水施設を築造します。
公共下水道などの処理設備を設置する工事も含まれます。
浄水場やポンプ場の建設、水道管の敷設などは水道施設工事の範疇です。

消防施設工事

火災報知設備や消火設備、避難設備などを設置する工事です。
スプリンクラー設備や火災報知器の設置、避難はしごの設置などが例に挙げられます。

清掃施設工事

し尿処理施設や、ごみ処理施設の設置を行います。
ごみ焼却場やし尿処理場の建設などの施設に関する工事が例に挙げられます。

解体工事

名称のとおり、工作物を解体する工事です。
建物の解体や、橋梁などの構造物の解体などが含まれます。

建設業と関連深い業界・職種の仕事内容

建設業は、多岐にわたる業界や職種と深い結びつきがある業界です。

ここでは、建設業と特に関連性の高い代表的な業界・職種について、仕事内容も含めて詳しく見ていきましょう。

土木業

土木業は、以下のような社会の基盤となるインフラを整備する仕事です。

  • 道路
  • 橋梁
  • トンネル
  • ダム
  • 上下水道施設

海や川、山岳地帯や地下空間など、さまざまな場所を舞台に、土石・木材・鉄材などを用いて新設工事や維持・補修、災害復旧などを行います。

具体的には、以下の工事が例に挙げられるでしょう。

  • 河川や海岸の護岸工事
  • ダムの建設
  • 道路やトンネルの施工
  • 空港の建設工事
  • 下水道工事
  • 土地区画整理
  • 土地造成
  • 林道工事

土木工事は人々の生活や経済活動を支える重要な役割を果たしており、多くの場合、国や地方自治体の公共事業として計画・実施されています。

建築士

建築士は、建物の設計や工事監理を専門とするプロフェッショナルです。
人々の安全で快適な生活を守るために、建築基準法に基づいて設計図を作成し、設計通りに工事が進んでいるかを監督します。

業務は大きく「設計」と「工事監理」に分かれます。
設計は、建物の目的や機能を図面に落とし込み、工事監理では現場で作業員の指揮・監督を行うのが特徴です。

建築士になるには国家資格である建築士免許が必要で、取り扱える建築物の規模によって「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」の3種類に分類されます。

建築施工管理技士

建築施工管理技士は、建築現場での施工管理を担う国家資格者です。
元請け業者は建設業法に基づき、現場に主任技術者または監理技術者を配置する義務があります。

一級建築施工管理技士は監理技術者、二級建築施工管理技士は主任技術者の資格要件を満たします。両者の業務内容はほぼ同じで、以下が主な仕事です。

  • 施工計画の策定
  • 工程管理
  • 作業員のスケジュール調整
  • 安全管理
  • 品質管理


ただし、工事の規模によって配置すべき技術者の資格が異なる点に注意が必要です。

電気工事士

電気工事士は、住宅や工場、ビルなどの電気工事を専門に行う国家資格者を指します。
電気を安全に利用するために、電気設備の設置や配線工事を担います。

電気工事士は作業範囲に応じて「第一種」と「第二種」に区分されるのが特徴です。

<第二種電気工事士>

  • 一般住宅や小規模店舗など600V以下の電気工事を実施できる


<第一種電気工事士>

  • ビルや工場など大規模な電気工事にも対応可能

具体的な業務内容には、変電設備や分電盤の設置、配線工事やコンセントの取り付け、放送通信施設の工事などがあります。

インテリアデザイナー

インテリアデザイナーは、建物の内装デザインを専門に手がける職種です。
クライアントの要望や建物の用途に合わせて、美しさや快適性、機能性を追求した空間デザインを提案します。

仕事内容は「空間のデザイン・設計」と「インテリア用品のデザイン・設計」に大別されます。
似た職種にインテリアコーディネーターがありますが、主にインテリア用品を用いた空間演出を行う仕事のため、デザインや設計は行わない点がインテリアデザイナーと異なります。

エクステリアデザイナー

エクステリアデザイナーは、建物の外観全体、すなわちエクステリアのデザイン・設計を専門とするプロです。
エクステリアとは、以下のような建物の外側にある空間を指します。

  • エントランス
  • 玄関アプローチ
  • 駐車場
  • フェンス

エクステリアデザイナーの仕事は、以下の流れで進んでいきます。

  1. クライアントの要望を丁寧にヒアリング
  2. デザインプランを作成
  3. 現地調査で日当たりや既存の構造物、地盤の状態などを確認

実際の工事は専門業者に依頼しますが、エクステリアデザイナーは素材の選定や発注、見積もりや現場監理、顧客対応などを担当します。

CADオペレーター

CADオペレーターは、コンピュータを用いて設計図面や完成予想図を作成する職種です。
建築業界では、建築士やデザイナーの指示のもと、CADソフトを使って図面を作成します。

CADには平面図形を作成する「2D CAD」と、立体的な表現が可能な「3D CAD」があります。

従来は建築士が手描きした図面をCADオペレーターがデジタル化することが大半でした。
しかし近年では、建築士自身がCADで製図を行い、CADオペレーターが編集・修正を行うケースが増えています。

まとめ

建設業は、単に建物や施設を建てるだけではなく、社会の発展と人々の生活を支える重要な役割を果たしています。
多彩な工事区分と専門職種が高度な技術と創造力を発揮し、安全で快適な環境の創造に貢献しているのです。

建設業界で成功するためには、自身の専門分野だけでなく、関連する職種の仕事内容を理解し、スムーズな協力体制を築くことが不可欠です。