建設業の事務がきついといわれる5つの理由!建設業の事務ならではのやりがいも紹介

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建設業の事務がきついと言われる理由には、経理が特殊であったり会社規模によって業務範囲が膨大になったりすることが挙げられます。

そのため、一般的な事務仕事よりも、覚える内容が多く業務範囲も広くなりがちです。

しかし、建設業界だからこそのやりがいがあるのも事実です。

そこでこの記事では、建設業の事務がきついと言われる理由や建設業だからこそのやりがい、向いている人の特徴などを解説します。

建設業の事務がきついといわれる5つの理由

建設業の事務がきついといわれる理由には、以下の5つが挙げられます。

  • 建設業の経理は独特
  • アナログ体制かつ体育会系の会社が多い
  • 扱う金額が大きく責任感を重い
  • ハラスメントへの考えがゆるい会社もある
  • 会社規模によっては業務量が多い

それぞれ詳しく解説します。

建設業の経理は独特

建設業の経理は、商品を仕入れて販売する際の一般的な経理とは異なります。

建設業ならではの独特な勘定科目や会計方法を覚える必要があり、一般的な勘定科目と紐付けておくことが大切です。

建設業で使われる会計科目の一例として、以下のものが挙げられます。

  • 完成工事高(売上高)
  • 工事未払金(買掛金)
  • 未成工事受入金(前受金) など

建設業の事務で働く場合は、まず一般会計の知識が必要になります。

日商簿記の資格取得と合わせて建設業経理士の資格もあると仕事はしやすいでしょう。

アナログ体制かつ体育会系の会社が多い

建設業界では、DX化やIT化などのデジタル技術を導入しているのは一部の企業で、大半の企業はアナログな体制で仕事をしています。

例えば、データの保存や共有でクラウドを使うよりも紙に印刷して保存したり、社内外のやり取りでFAXを使ったりするのが、業界としてまだ一般的です。

また昔ながらの体育会系の会社が多く、最新技術を取り入れて効率化を図るよりも、手足を動かしたり気合でなんとかしたりする風潮の会社も多い傾向にあります。

ただ、その中でも建設業界を変えようと働き方改革に積極的に取り組み、業務効率改善に役立つツールを取り入れている会社もあります。

扱う金額が大きく責任感を重い

建設業界では、一度に動く金額が非常に大きいのが特徴です。

一般ユーザー向けに戸建の建築をする工務店では、何千万円もの売り上げが立ち、材料費や人件費で何百万円にもなります。

当然どのような業界でも売り上げや経費などの経理のミスは許されませんが、特に建設業界では金額の大きいため、ミスをすると顧客や関連業者などにも大きな迷惑がかかってしまいます。

ハラスメントへの考えがゆるい会社もある

近年の社会情勢によって改善されつつありますが、建設業界の中ではハラスメントへの考えがゆるい会社も存在します。

業界内の男女比率では、圧倒的に男性率が高く、昔ながらの考え方が根強く残るため、ハラスメントへの考えがゆるい傾向にあります。

ただし、大手企業では、ハラスメントやコンプライアンスへの通報窓口を設置している会社も増えてきています。

会社規模によっては業務量が多い

建設会社の中には、規模が小さく 1人の事務員が社内の事務をすべて任されているケースもあります。

その場合は当然、業務量が多くなり、残業も発生する可能性が高くなります。

家族経営で奥様が経理・事務を兼任されている場合など忙しくなりがちかもしれません。

建設業事務の仕事内容

建設業事務の仕事内容は、以下の3つに分けられます。

  • 一般事務作業
  • 建設事務
  • 経理事務

会社の規模によって、これらすべてを任される場合もありますし、より細分化して事務員の専門性を高める場合もあります。

それぞれの仕事内容を詳しく解説します。

一般事務作業

一般事務作業は、建設業界に限らず、どの業界・会社でも行います。

具体的には、以下のような仕事です。

  • 電話・メール応対
  • 来客対応
  • 事務用品の補充
  • 会議の議事録作成
  • データ入力 など

他業界で事務をしている人は、馴染みのある仕事ばかりでしょう。

会社によっては、求人サイトへの登録や社会保険・雇用保険の手続きなどの人事業務も兼任します。

建設事務

建設事務では、安全書類(グリーンファイル)や見積書、発注書などを作成します。

安全書類とは、建設現場の安全確保や責任の所在を明確にするために作成する書類のことです。

具体的には、工事内容や作業員の体制、下請け企業の状況、工事車両の報告などさまざまな書類があり、工事ごとに必要な書類を元請け業者に提出します。

書類ごとで提出期限も決まっているので、期限内に作成し提出する必要があります。

経理業務

経理事務では、前章で解説したように、建設業の特別な経理を覚える必要があります。

建設業特有の会計方法と勘定科目を扱いますが、会計ツールを導入している会社がほとんどなので、一般的な経理が理解できている人は短期間で慣れるでしょう。

原価管理や伝票処理なども経理事務の仕事です。

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建設業事務だからこそ感じられるやりがい

建設業だからこそ感じられるやりがいには、以下の3つがあります。

  • 建築物が完成した際の達成感を味わえる
  • CAD図面の作成など専門業に携われる
  • 事務スキルを幅広く身に付けられる

それぞれ詳しく解説します。

建築物が完成した際の達成感を味わえる

事務職は、現場の仕事に直接関わることはありません。

しかし、間接的に現場をサポートする仕事であり、工程や建物の現状を把握できるため、建築物が完成した際には達成感を味わえます。

また建築物のなかには、数年・数十年単位の長い時間をかけて完成させるものもあります。

チーム一丸となって長期間をかけて完成させる仕事は、ほかの業界では味わえないでしょう。

CAD図面の作成など専門業務に携われる

建設業の仕事において、切っても切り離せないのがCAD図面の作成です。

CAD図面の作成では、設計士が作成するような精巧な図面から、簡単な操作さえできれば作れる土地区割り図面などがあります。

パソコン作業が得意な人であれば、CADを使った簡単な図面作成を任されるケースもあります。

CADの操作に慣れて知識がついたら、CADオペレーターの資格取得を目指してもいいでしょう。

せっかく建設業の仕事に携わっているのであれば、CAD図面の作成など専門的な業務を行い、自らのスキルアップにつなげるのがおすすめです。

事務スキルを幅広く身につけられる

規模の小さな会社であれば、電話応対や来客対応などの一般的な事務作業に加えて、建設業ならではの書類作成や経理を経験できます。

他業界の事務に比べると仕事が多かったり専門的な内容を覚える必要があったりしますが、事務員として幅広いスキルを身につけられます。

建設業の事務が向いている人の特徴

建設業の事務が向いている人の特徴は以下の3つです。

  • 周りの状況を見て主体的に動くのが得意な人
  • 明るくポジティブな人
  • 細かい作業を丁寧にできる人

それぞれ詳しく解説します。

周りの状況をみて主体的に動くのが得意な人

建設業の事務は、時期や建設途中の建物の数によって業務量が変わります。

例えば、決算期前になれば経理担当の仕事は増えますし、月末に近づいても営業目標が達成していないと営業は焦ります。

営業が忙しくなる時期は、経理担当が仕事に集中できるようにほかの事務仕事を巻き取ったり、営業目標を達成できるように過去の顧客リストを洗い出してみたりしてみるのも良いでしょう。

誰かの指示を待つのではなく、自ら考えて主体的に行動するのが得意な人は建設業の事務に向いていると言えます。

明るくポジティブな人

建設業界や建設関係の会社では、元気でノリのよい人が多い傾向にあります。

チームワークが重要な仕事でもあるため、社員同士が仲がよい会社が多いのも魅力の1つです。

そのため、明るくポジティブな人のほうが、周りから可愛がってもらえ、すぐにチームの一員として受け入れてもらえるでしょう。

細かい作業を丁寧にできる人

建設業の事務では、金額の大きい見積書の作成や発注業務、安全書類のような専門的な書類の作成まで多岐にわたります。

大きな金額を扱うからこそ、ミスが起こらないように一桁ずつ確認することが大切です。

書類に関しても、同じ書類を何度も作り慣れたとしても、毎回必ずチェックを徹底し丁寧に作成できる人が信頼を得られます。

このように、細かな作業を丁寧にできる人は、建設業の事務仕事に向いています。

建設業の事務で役立つ資格

建設業の事務で役立つ資格を4つ紹介します。

  • マイクロソフトオフィススペシャリスト
  • 日商簿記
  • 建設業経理士
  • CAD利用技術者

それぞれ詳しく解説します。

マイクロソフトオフィススペシャリスト

マイクロソフトオフィススペシャリストとは、世界的なソフトウェア企業であるMicrosoftが提供する資格のことで、Word・Excel・PowerPointなどの利用スキルを証明できます。

マイクロソフトオフィスの利用は事務仕事で欠かせないため、仕事にダイレクトに役立ちます。また、試験に向けて学習することで、スキルアップや知識向上に役立つでしょう。

日商簿記

日商簿記は、経理に必要な簿記のスキルを測るための試験です。

簿記資格を取得すると、経理関連書類の読み取りであったり、原価計算や経費処理がスムーズにできたりといった、経理業務スキルが証明されます。

特別な会計処理を行う建設業の経理を行ううえで、一般的な経理の知識・スキルを身につけるのは非常に重要です。

初めて日商簿記の検定を受ける人は、まずは基本知識の確認である3級を受験してみましょう。

建設業経理士

建設業経理士とは、建設業の経理に関して、専門的な知識と処理能力を有している人のことで、建設業経理検定に合格する必要があります。

検定には1〜4級まであり、2級以上の資格を所有すると経理のスペシャリストとして活躍可能です。

また、建設業経理士の資格を取得することで資格手当が出る会社もあるので、給料を上げたい人や建設業界でキャリアアップしたい人におすすめです。

CAD利用技術者

CADオペレーターとは、CADの知識を持ち、図面作成のスキルを証明する資格のことです。

CADには2次元CADと3次元CADがあり、2次元CADの試験を受けて合格した後に、より難易度の高い3次元CADの試験を受けるのがおすすめです。

3次元CADを導入している企業はまだ少ないですが、将来的に必要になってくる技術であれ、専門性や権威性をアピールできるため取得をおすすめします。

まとめ:建設業の事務はきつい部分もあるがやりがいも大きい

この記事では、建設業界の事務がきついと言われる理由を解説しました。

きつい理由には、大きく以下の5つが挙げられます。

  • 建設業の経理が独特
  • アナログ体制かつ体育会系の会社が多い
  • 扱う金額が大きく責任感を重い
  • ハラスメントへの考えがゆるい会社もある
  • 会社規模によっては業務量が多い

これだけでは建設業界で働くことに対して、デメリットが強いと感じますが、建設業界だからこそのやりがいもあります。それが、建設業だからこそこの達成感を感じられたり、専門業務に携われたりすることです。

また近年では、業務時間の改善や効率化を図るために、さまざまなツールを導入し社内のIT化・DX化を進める会社も増えてきました。これからは建設業界もより働きやすくなると期待できるでしょう。


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