【2024年版】施工管理アプリ5選|アプリ導入が必要な事業所の特徴
目次
建設業界では、効率的な施工管理が重要視されています。施工管理には、工程管理、品質管理、安全管理など多くの業務が含まれます。これらの業務を適切に行うことで、工期の遅延を防ぎ、品質を確保し、事故を未然に防ぐことができるのです。
従来、施工管理は紙の帳票を使って行われていましたが、近年ではデジタル化が進み、施工管理アプリの活用が広がっています。本記事では、施工管理アプリに関する、以下の内容について解説します。
- 施工管理アプリの機能や種類
- 施工管理アプリの選び方・比較のポイント
- 施工管理アプリの導入によるメリット
- 施工管理アプリを導入するうえでの注意点
- 施工管理アプリを使うべき事業所の特徴
また、2024年5月段階で利用可能なおすすめの施工管理アプリを5種類紹介しているので、あわせて参考にしてください。
施工管理アプリとは?
建築現場にて、図面・作業工程表の作成や報告といった、各種施工管理業務を効率化できるツールが施工管理アプリです。ここでは、施工管理アプリに関する以下の内容について解説します。
- 主な機能・種類
- 施工管理アプリの選び方・比較のポイント
- 施工管理アプリの導入によるメリット
- 施工管理アプリを導入するうえでの注意点
施工管理アプリの導入を考えている建築業者の方は、ぜひ参考にしてください。
主な機能・種類
施工管理アプリの主な機能としては、次のようなものがあります。
- 工程管理:工程表の作成・共有、進捗状況の入力・報告
- 品質管理:チェックリストの運用、写真による記録
- 安全管理:点検リストの運用、危険予知活動の記録
- 資材管理:資材の入荷・使用状況の管理
- 経費精算:立替経費の入力・申請
- データ共有:関係者間での情報共有
なお、施工管理アプリ種類としては、施工管理に特化したアプリと、請求・入金管理などの機能も含む総合的な建設業務アプリがあります。
施工管理アプリの選び方・比較のポイント
施工管理アプリを選ぶ際の主なポイントは以下のとおりです。
- 必要な機能が備わっているか
- 利用料金が予算に合っているか
- 対応デバイス(iOS/Androidなど)
- ユーザーインターフェースの使いやすさ
- カスタマイズ性(業務に合わせた設定が可能か)
- セキュリティ対策(データ保護など)
- サポート体制
事業者の業種・規模、既存の業務フロー、活用シーンなどに合わせて、総合的に判断することが重要です。
施工管理アプリの導入によるメリット
施工管理アプリを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
- ペーパーレス化による業務効率化
- 現場と本社間の情報共有の円滑化
- 施工記録のデジタル化による保存・検索の容易化
- 人為的ミスの削減
- 外出先での業務が可能になる
- コスト削減(紙代、印刷代、データ入力の手間など)
施工管理アプリの導入を検討する際は、上記メリットがあることを理解したうえでどのアプリを導入するか決定しましょう。
施工管理アプリを導入するうえでの注意点
施工管理アプリ導入時には、次のような点に注意が必要です。
- 導入コストがかかる(アプリ利用料、デバイス購入費用など)
- システム導入に伴う業務フローの見直しが必要
- スタッフへの教育・運用ルール策定が欠かせない
- データ漏えいなどのセキュリティリスクに対する対策
- ベンダーのサポート体制を確認する必要がある
施工管理アプリを導入するうえでは、事前の準備と、組織全体での理解が不可欠なのです。
施工管理アプリを使うべき事業所の特徴
ここでは、施工管理アプリを使うべき事業所に当てはまる以下の特徴について解説します。
- 複数の現場を同時に管理している
- 既存業務の効率化を検討している
- 業務効率化にかかる予算を抑えたい
- 既存業務をデジタル化・ペーパーレス化したい
ここで紹介する特徴に当てはまる場合は、施工管理アプリの導入を検討してみましょう。
複数の現場を同時に管理している
同時に複数の施工現場を抱える建設会社や工務店にとって、施工管理アプリは現場間の情報共有を容易にし、遠隔でも進捗を確認できるため有用です。アプリを導入することで工程管理がスムーズになり、工期遅延のリスクを低減できます。
既存業務の効率化を検討している
従来の紙ベースの施工管理業務に煩雑さを感じている企業は、施工管理アプリの導入を検討するべきでしょう。アプリによりペーパーレス化が可能になり、書類の作成・保管・検索にかかる手間が大幅に削減できます。
業務効率化にかかる予算を抑えたい
施工管理アプリの導入コストは、紙の帳票代や人件費といった既存のコストに比べて抑えられる傾向にあります。中小企業でも比較的導入しやすい金額となっているため、コストを意識する必要がある事業者は検討する価値があります。
既存業務をデジタル化・ペーパーレス化したい
働き方改革の一環として業務のデジタル化を進める必要がある建設業者にとって、施工管理アプリの導入はその第一歩になり得ます。紙の書類をデジタルデータで扱えるようになることで生産性が向上し、ペーパーレス化にも貢献できます。
【2024年最新版】おすすめの施工管理アプリ5選
ここでは、2024年5月段階で利用できる、おすすめの施工管理アプリを5種類紹介します。
ここで紹介するアプリの中から、自社の運営にマッチするものを選んで導入しましょう。
ダンドリワーク:株式会社ダンドリワーク
画像出典:ダンドリワーク
ダンドリワークは、80,000社以上の導入実績を持つ老舗の施工管理アプリです。建築業の現場経験豊富なスタッフが開発に携わり、現場の実態に即したサービスとなっています。
初期導入から浸透までを支援するため、年間1,700回以上の説明会を開催。導入企業に寄り添ったフォローアップが特徴です。現場の写真をリアルタイムで共有できるほか、画像への直接コメントも可能です。掲示板機能では、アクセス権限を設定してセキュリティを確保できます。
同一アカウントで複数の元請会社の案件を管理できる点も長所と言えます。豊富な機能と手厚いサポートで、スムーズな導入と活用が見込めるでしょう。
主な機能 | 利用料金 | 対応デバイス |
・工程/品質/安全/資材管理 | ・初期費用200,000万円~ | iOS/Android |
ANDPAD:株式会社アンドパッド
画像出典:ANDPAD
ゼネコンから住宅まで、幅広い業種に対応したANDPADは17万社以上の導入実績を誇ります。現場の効率化から経営改善までカバーする充実した機能セットが魅力です。
アップロードした図面や写真、工程表などはクラウド上で自動的に整理され、一元管理が可能です。チャットや完了報告機能で現場の状況を逐次把握できます。案件の進捗管理や過去の提案書も横断的に管理可能なため、引き継ぎがスムーズになります。
オプション機能を利用すれば電子発注も実現できます。現場運営から経営判断まで、広範囲の業務をサポートする優れたソリューションと言えるでしょう。
主な機能 | 利用料金 | 対応デバイス |
・工程/品質/安全管理 | 初期費用・月額費用・オプション費用で構成(金額は要問い合わせ) | iOS/Android |
Photoruction:株式会社フォトラクション
画像出典:Photoruction
Photoructionは「生産性向上が期待できる」「サポートが充実」「建設業従事者に推奨」の3冠に輝いた施工管理アプリです(2021年4月調べ)。
スーパーゼネコンを含む国内外で約20万件の導入実績があり、最大20倍を超える業務効率化も実現しています。図面や写真、その他データを一元管理し、リアルタイムの共有が可能です。
「建設の世界を限りなくスマートに」をコンセプトに操作性にも優れ、大企業から個人事業主まで、幅広いユーザーに好評です。生産性向上と優れたサポート体制が売りの、建設現場に最適化されたアプリと言えます。
主な機能 | 利用料金 | 対応デバイス |
・工事写真管理 | ・初期費用0円 | iOS/Android |
KANNA:株式会社アルダグラム
画像出典:KANNA
2020年7月リリースのKANNAは、新しいながらも実際のユーザー評価が最高レベルの施工管理アプリです。ブラウザとアプリの両対応で、スマートデバイスから気軽に利用できます。
基本的な機能はもちろん、スケジュール管理や図面管理、チャット機能など建設現場で求められる機能が網羅されています。初期費用は無料で基本機能のトライアルが可能なため、自社への適合度を確認しやすい点も魅力です。
オプションの有無で月額料金は変動するため、それぞれの要件に合わせてプランを選べるのもメリットと言えるでしょう。
主な機能 | 利用料金 | 対応デバイス |
・工程/品質/安全管理 | ・初期費用0円 | iOS/Android |
現場ポケット:株式会社アステックペイント
画像出典:現場ポケット
現場ポケットは、現場管理に特化したシンプルな設計が特徴のアプリです。初期費用は無料で、低コストで利用できる点が魅力です。
日報機能では出勤・退勤時間の記録ができ、勤怠管理を「見える化」できます。報告書作成にもテンプレートが利用でき、高い現場作業の生産性が期待できます。
デザイン面でもGOOD DESIGN AWARD 2022を受賞するなど、機能性とデザイン性を兼ね備えています。導入後のアフターフォローも充実しており、安心して利用できるサービスと言えるでしょう。
主な機能 | 利用料金 | 対応デバイス |
・塗装工程管理 | ・初期費用0円 | iOS/Android |
まとめ
施工管理アプリにはさまざまな製品があり、業種・規模・ニーズに合わせて最適なものを選ぶ必要があります。しかし、いずれのアプリを導入しても、効果的な活用には組織全体での理解と準備が不可欠です。
アプリ導入により、施工管理業務のペーパーレス化と効率化を図ることができます。従来の紙ベースの業務に比べ、業務品質の向上、コスト削減、生産性の向上などのメリットが期待できます。
また、デジタル化により施工データのトレーサビリティが高まり、工事の品質と安全性の確保にも寄与します。建設業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する上で、施工管理アプリは重要な位置を占めています。
一方で、導入コストやセキュリティ対策、スタッフ教育などの課題もあり、それらを十分に検討したうえで、自社に適したアプリを選定することが肝心です。本記事が施工管理アプリの理解と選定の一助となれば幸いです。